4月15日付け「CM天気図」(朝日新聞)というコラムに、大ファンである天野祐吉さんが「広告主の品位」 というタイトルでCM批判を展開している。要約すると、TV番組中、期待度が高まった時点、例えばものまねなどの点数が出るというまさにその時にCMを入 れる/入るのは、せこい、感興をそぐ、さもしい、品位がないなどとある。全く同感である。「みんなだいぶ前から『品がねえぞ』と怒ってるよ」とも書かれて いる。

 私などもこうした「引っ張る」傾向にはヘキエキしていたが、TVのCMとはそういうモノだととっくに諦めていて、(ここでCMだ な)と見当を付けて、CMが始まると台所に立って皿を5、6枚洗ったり、トイレに立ったり、人生の大切な時間を自分に不必要なCMに浪費しない為に自衛し ている。

 インターネット上では広告をクリックして15円とか20円とかがもらえる時代である。TVと違って興味のあるCMだけを見られ るのでCMに煩わされる事がない。CMのおかげで本来なら有料になるサービスが無料になったり、むしろCMサマサマである。しかもCMをカット(スキッ プ)する事も出来る。

 TVもいつまでも天野さんの言うごとく、芸のない流し方をしていないで、CMを見てネットにアクセスすれば何かもらえるとか、意見を送ると何か当るとか視聴者に得があるようにしてもいい時期ではないだろうか。

 私は企業CMにキャンペーンのお知らせがあれば進んでウェブサイトにアクセスするし、安全なシャンプー、安全な食品、スーパーのセールなど、うるさくない、しつこくない、為になる、役に立つ、得するCMであれば喜んで見る。

 100歩譲って地上波は視聴が無料だからまだいい。私がもっとイカッているのは有料放送のCMである。例えばスカイパーフェクTVに私は月々1500円ばかり払っているのだが、ここ数年やたら「インフォメーション」という名のCMやショッピング番組が流れる。

 15分ごとにCMが入る局があり、これでは地上波とほとんど変わらない。中には「シネフィル・イマジカ」という、映画の放映中はCMを入れないという方針を貫く素晴らしい局もあるが全般的にCMが多くなっている。地上波のCMがイヤで契約したのに、納得が行かない。