子どもの頃、月夜の夜道を歩くと月がまるで自分を追いかけてくるように見えるのが不思議だったが、今でも月が好きな私は満月、半月、三日月と折りに触れて月を見上げる。「タイムマシン」「スペースカウボーイ」など、月の出てくる映画も好きなのだ。

 中秋の名月には屋根の上から名月を鑑賞した。夜中に目が覚め、また屋根に上って明るく青白く輝く月をしみじみ眺めた。静寂と白い月が照らす光景が実にシュールだった。

 月に行けるという懸賞を見つけた時にはすぐに応募したが、あれは結局どうなったのか、当らなかったのは確かである。

 月も随分近くなったが、人類が気楽に行けるようになるのはまだ大分先の話。ところがルナエンバシー(月の大使館)ジャパンという会社は月の他、火星や金星の土地までを分譲販売しているというからびっくり。

 色々のメディアで報道されたので既にご存知の方も多いかもしれない。ロマンチックと言うか、荒唐無稽と言うか、リアクションに困る話題だが、考えてみればセカンドライフという仮想現実の世界でも土地が買えるというから、月や火星は肉眼で捉えられる分、そう驚く事ではないのかもしれない。

 ルナエンバシー・ジャパンはアメリカのルナエンバシー社の代理店で、2002年3月から本格的に販売を開始している。既に6万人以上が月の土地のオーナーとなっているそうだ。

 現在月は第三期分譲中で、どの部分を売り出しているのかウェブサイトで見る事ができる。

 5月11日の母の日に月の土地を贈ろう、という宣伝文句も見られる。月の土地権利書を贈って世のお母さん方が喜ぶかどうかはわからないが、「すでにアメリカでは、2人の元大統領を始め、ハリウッドの著名人やNASAの職員も購入しており、全世界でもすでに120万人以上の人々が月のオーナーとなっています」とあるから買うなら一口2700円(ネット価格)と、安い今のうちかもしれない。 

ルナエンバシージャパンのウェブサイト